Revitの転ばぬ先の杖

Revitでつまづいてしまう前に。中小企業向けのRevitガイドです。

パラメータタイプの単位を壁を例に考える

Revit2021から[単位面積当たりのコスト]や[通貨]、おそらく[単価@㎡][値段]の意味、等、パラメータタイプが増えたようです。

今まで実数でも管理できた情報ですが、Revitが設定した以上使わないと情報管理上面倒になります。そこで壁の値段を例題に使い方を考えていきます。

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まずローカル共有パラメータで壁の単価のパラメータを作ります

[壁単価@平米][壁単価@立米]は[単位面積あたりのコスト]

[壁単価@立米(質量密度)]は[質量密度]で作成しています。

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その後、プロジェクトパラメータに組み込みます。これは、壁がシステムファミリであるため、プロジェクトパラメータでないとパラメータを追加できないためです。

 

プロジェクトパラメータ(タイプ)に追加したら単価を入力します。

ついでにデフォルトパラメータの価格にも単価を入れてみます。

なお、[価格]のパラメータタイプは[通貨(実用上¥と考えてよい)]ですが小数点2桁まで表示されています。これはドルには補助通貨[セント]がついているからだと推測します。

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集計表でそれぞれのパラメータがどのように動くか確かめてみます

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感覚的には[価格*面積][壁単価@㎡*面積][壁単価@㎥*容積][壁単価@㎥(質量面積)]で壁の価格を導き出すことができそうですが、そうはいかない場合もあります。

まず、[価格*面積]を検証していきます

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これは、[価格]のパラメータの単位が[通貨(円と考えても実用上OK)]であるため、

[価格*面積]の単位が¥・平米となるせいです。よって、1平米で割ると単位が一致し、集計できるようになります。

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次に[壁単価@㎡*面積]ですが、これはすんなり問題なくあいます。

では、容積を使って壁の価格を出すときはどうなるのか?

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当然一致しません。壁単価の単位が[¥/平米]であるためです。
どうにか操作して単位を[¥/立米]にする必要があります

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つまり、壁単価を1/mで割ることで単位が[¥/立米]となり計算することができるようになります。

おまけ

じゃあ、分母が㎡である[質量密度(kg/立米)]を使うと見た目上きれいに価格になるのでは?という考えもありますが

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となります。単位が[kg/立米*立米]=[kg]になるためです。じゃあ、価格のタイプを[重さ]にすれば良い!ともできますが、単位を特殊な使い方をすると他の人がファイルを操作する時に混乱しますので、やらないでください。ちなみに強いて利用すると

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[(kg/立米)*立米/kg*¥]=kg x 1/立米 x立米 x1/kg x ¥=¥ となり単位が合いますが

やらないでください。

 

まとめ

1,Revit単体では集計表で値段を管理するのが精一杯です。オブジェクトに値段を載せたいときはDynamoを使ってください

2,システムファミリのタイプパラメータに[価格]が入っているのは無理なのではないかと思います

3,システムファミリのインスタンスパラメータに数式を入力できるようになってほしいです